それって本当に?と揺れた気持ち
息子が3〜5歳くらいの頃。
療育やクリニックで、よく言われた言葉があります。
「無理に来なくても大丈夫ですよ」
「お子さんのペースで大丈夫ですよ」
そのたびに、私は心が揺れていました。
「それって本当に?」
「行かなきゃ、意味がないんじゃないか?」
そう思ってしまう自分がいました。
毎日、苦しくて。
どうにか状況を変えたくて。
でも、どうしていいか分からない。
療育やクリニックに行けば、何かが変わるかもしれない。
そんな“すがる思い”で扉を叩いていた私には、
「無理しなくていい」という言葉さえ、どこか遠く感じてしまっていました。
相談したくて来たのに、
そこにたどり着くだけで精一杯。
相談どころじゃない…そんな日も、たくさんありました。
「私だけ、レアなケースなのかな?」
「こんなにも子育てが難しいって、おかしいのかな?」
自分が育ってきた感覚とは、全く違う世界。
敏感なわが子に、どう対応すればいいのか分からず戸惑う日々。
「私、ちゃんとできてないのかな」
そう思ったことも何度もあります。
でも…みんな、本当にそんなに“ちゃんと”できているのかな?
子どもが生まれた瞬間に、いきなり「ママ」になれるわけじゃない。
だれもが“ママ初心者”なんですよね。
わが子のおかげで、私はたくさんのことを学びました。
今まで知らなかった価値観にふれ、知らなかった世界が広がっていきました。
けれど、そんな日々の中で気づくこともあります。
それは、私たちが「少数派」なんだという現実。
ママ同士の会話や、世の中の“普通”とされる子育てと比べて
「あれ?うちはなんでこんなに違うんだろう?」と感じることも。
でも、うちの子だからこそ見せてくれる景色がある。
うちの子だからこそ、出会えた優しさもあった。
「無理しないで」と言われて戸惑ったあの日の私に、
「“無理しない”って、諦めることじゃないよ」
それは、「自分の気持ちも大切にしながら進もう」ということ。
そんなふうに思えるようになりました。
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