はじめて心理士さんに会ったとき、
「お母さん、大変でしたね」
そのひとことが、とても印象に残っています。
その言葉は、すべてを包んでくれるような、やさしい言葉でした。
でも私は、泣けませんでした。
もうすでに「これから」が迫っていることが、わかっていたからです。
始まったばかりの、長くなりそうな道のりを前にして、涙が出ませんでした。
もしかしたら、あのときに泣けていたら。
何かが違っていたのかな、と今でも思うことがあります。
でも、泣けなかったけれど、
私はあのとき、少し心が軽くなりました。大変だったと言っていいんだなと。
「わかってくれる人がいる」と思えた、最初の瞬間でした。
自分の性格を悩ましく感じながらも、あの一言には、今も感謝しています。
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